私はまず利用者への呼称から変えていきました。それまでは呼び捨て(障害児施設ということもあり下の名前で呼び捨てがその時代、施設では日常でした)で命令口調であったのを「さん」付けで呼び、少しずつ「普通」の口調に変えていきました。最初は不信感いっぱいで、むしろおびえるようなリアクションだった利用者の皆さんですが、少しずつ受け入れ始めてくれました。むしろ、私の方が慣れない言葉づかいでギクシャクしていましたが、それでも3か月ぐらいするとようやく自然に「さん」付け呼称が定着しました。この取り組みの中で感じたことは、①利用者状況は関わる支援者の態度・対応で変化するということ(→支援者が変われば利用者も変わる!)、②新たな取り組みは利用者より支援者の方が慣れるのに時間がかかること、③関わりの中でこそ「関係性」は形成されること等を学びました。
限られた条件や環境の中で自分が出来ることは少なく、これまでの自分の所業もあり同僚職員からも不信感を持たれた状況でしたが、自分が勤務するときは夜のレクレーションとして入浴を行いました。リスクもありましたがそれなりに他の職員も不承不承受けて入れて?協力してくれました。変化は理屈ではなく、実践の中でこそ具体化が図れることを実感しました。
このころ、ノーマライゼーションはじめ、ようやく障害者福祉の実践に関わる内容の勉強を始めました。また施設の建て替えに関わって環境改善等に私なりに努力しました。(^_^;)
こうしたことを経てようやくカミさんから退職することの了解を得て約15年務めた施設を辞めました。